モデルの仕事-表現者

写真撮影

モデルのギャラはランク別

今回は写真関連のネタとして、写真を撮られる立場「ストイックなモデルの世界と時代の変化」について赤裸々に書いてみようと思います。

クライアントの評価とマネージャーの期待でランクが変わる

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ゆう

おぉー、これってColimaさんがバリバリの頃ですか??モデルのお話は凄く興味ありますね!!ファッション雑誌とか見てるとカッコいいなと思いますが、かなりハードなイメージがあります。そもそもスタイルが良くて美人じゃないと無理ですよね。


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こまち

ほんとですね、モデルさんって、すごく意識が高くって美容や体型維持とか徹底してる人達って感じがします。失礼ですけど、お給料とか、いくらくらいなんですか?


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Colima

そうですね、努力してる人は今でもスタイルを維持されてますね。私も頑張ろうと思いつつ…(苦笑)
勘違いされることが多いのですがモデルは「雰囲気」とか「オーラ」みたいなのが大切なので俗にいう「美人」が向いてるとは限りません。また、色んなモデルの仕事があるので年齢も幅があります。
先輩の中に普段は愛想も悪くガラが悪いイメージなのに、カメラを向けたり舞台に上がると豹変して物凄く魅力的になる人が居ました。一瞬で表現者になれる人でした。
「詐欺だ(笑)」と言われてましたが本人は意識せず自然にそうなるようで、マネージャーからも持って生まれた才能だと評価されてた一方「仕事が終わったらサッサと帰れ。絶対に素性を出すな。」といつも言われてました。クライアントに向かって「おい」と言ったり顎で使ったりするので、プラスで終わった仕事もクライアントの気持ちを損ねマイナス着地するわけです。
また、給料というよりも仕事ごとにギャラが異なり1ヶ月に纏めて貰ってましたので、私の場合は30万あれば良い方でした。先輩と一緒に勝手に仕事を受けたのが事務所にバレたペナルティで仕事が半年間ゼロの時もありました。オーディションで専属が決まると収入も安定しますが、実際は他の仕事と掛け持ちの人の方が多かったと思いますよ。

アンノーマルな世界ではありますが、憧れの気持ちを壊さないように注意しながら現実の仕事内容を説明しますね!

所属していた事務所では、モデルがAA,A,AB,B,BC,Cとランクに分かれておりマネージャーが仕事を調整していました。
ABランクの私が受けた当時の仕事のギャラです(ここからピンハネされます)
当時はバブル崩壊後でしたが、まだまだモデルの仕事は多かったと記憶しています。

テレビCM/3H:5万円~30万円
撮影会モデル/6H:2万円~10万円
ファッションショー/6H:3万円~30万円
キャンペーンガール/6H:1万円~3万円

バブル後に不要になった地方のモデルクラブ

事務所に依ってランクの基準や仕事内容も異なると思いますが、実績を積めば積むほど良い仕事が入るようになるのは同じだと思います。
元々マネージャーの気分次第でピンハネする事がモデル間で問題になってましたが、経営悪化と共に徐々にひどくなり、その後愛想をつかした先輩モデル達がクライアントと結託して一気に事務所を辞めてしまいました。
メインのモデルがクライアントから直接仕事を取り始め、途方に暮れ落胆したマネージャーの様子は言うまでもありません。

所属して9年目、27歳のときに、経営の難しさ、社会の厳しさ、人間関係の脆さを目の当たりにした自分は
「水物業界ではなく、システムが整った企業でビジネススキルを身に着けたい」と心底思い、その後一切モデル業界に関わらないようになりました。
所属していた事務所は細々とマネキン派遣をやっていたようですが、恐らく15年ほど前に撤退されてると思います。

最近は撮影会なども素人モデルで対応されてますしショーもほとんどなくなってきてますので、昔のようにプロダクションとして機能せず「レッスン料」で稼ぐモデルクラブが増えています。
モデルクラブに入る時に何らかのお金を請求された場合は、その事務所が受けている仕事の実績などを細かく確認された方が良いかと思います。
事務所にキチンと仕事が入っていて利益が回っていれば、多くのレッスン料や入会費など必要ないはずです。

モデルの仕事内容

モデルが向いている人、向かない人

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こまち

なんだかランク別っていう評価の仕方が気になりますね。売れっ子ホステスさんは時給が高いという話をよく聞きますが、カメラマンのお気に入りはランクが高くなる感じでしょうか??ColimaさんがABというのは、もっとすごい人たちが多かったんですね。


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Colima

確かにカメラマンに人気のモデルは毎回リクエストがありましたけど、カメラマン主催の仕事は素人向けの撮影会が多かったです。私は撮影会よりもショーが多く、実際にクライアントに気に入って貰ってなんぼの世界です。出版業界で実力のあるカメラマンはクライアントに意見が通るので、中には必要以上に仲良くなって他の事務所から仕事を奪い取るモデルさんもいましたよ。立ち回りが上手いと一時的に評価も上がりますが、やっぱり最終的に残るのは努力を重ね実力を身に着けていく人です。周囲に振り回されず努力と工夫を続けてる人は息が長いですし自分を持っている人が多いですよね。どの世界も同じだと思いますが。
そのような人たちがリーダーとなり、時代の流れに逆らわず次の世代を育てている会社は残っていくのだと思います。


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こまち

ええっ!!必要以上に仲良く?枕営業的な感じですか?!芸能界の裏話やドラマなどで聞いたことあります!!ちなみにミーハーですが芸能人とかも一緒に仕事したりしますか??


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Colima

そうですねぇ、とにかく前に出たい強かな人は物凄く多かったです。大概そういう野心の強い人は次々とコネを作って東京のモデルクラブに移籍してましたが、水面下で事務所同士の繋がりもあるのでトラブルの種になりそうな人は結局は出世できないです。
ゲストに芸能人を呼んだイベントはありましたが、仕事内容が違うので芸能人と絡むモデルの仕事は少ないと思います。高1の時に西城秀樹さんのNHKビッグショーのバックで踊った事はありますが、廊下ですれ違う時にバックの我々にも自ら挨拶して下さるようなプロ意識の高い方で感動しました。

モデルは「全身で表現する仕事」です。
やり直しの利く撮影やCM録画等は気楽に楽しめたのですが、ファッションショーのような一発勝負の緊張感に包まれた中での仕事は最後まで慣れることができませんでした。
特にトリで歩く時の「ここで自分が転んだら全てが水の泡だ」という恐怖、ステージに出る前に袖からステージを眺めながらのマインドコントロールは自分との闘いです。
楽屋裏の緊張を通り越したカオス状態も、まさにパニックという感じです。
ショーの時はベージュのショーツ以外は肌につけないので、全裸で髪を作って貰いつつお弁当をガツガツ食べたり、その横では他のモデルクラブの人がスタイリストに靴を投げつけたり、メイクを怒鳴ったりしてます。
テンション上がって踊ってる人、リハーサルが上手く出来ず泣いてる人。もちろん平常心の人も居ますが、どんな状況でも自分を表現する事に全身全霊を注ぎ確固たる自分とプロ意識がないと続かないというのが9年間やった感想です。
仕事の度に、これは私には向いてない。私が長く続けるべき仕事じゃないと思ってました。後半はのらりくらりしてましたが所属は長かった方です。

モデルは身体で表現するプロであるということ

表現者として演出する仕事の大切さ

以上のように色々な仕事がありますが、基本的にモデルは「表現する仕事」です。
文章も音楽もそうですが、「表現」が大切な仕事は世の中たくさんあります。
私が最近とても不思議なのは、今のファッションショーが「ただただ、歩く」だけになっているという事です。どんな服も一緒に見えますが、これも流行なのかもしれません。

私たちの時代は山口小夜子さんという世界的なトップモデルが現役でいらっしゃって、先輩から貸して貰ったビデオを見て勉強した記憶があります。
山口小夜子さんは「自分がどう動いたら、どんな風に見えて空気がどう変わるのか」全て脳内でシミュレーション出来るくらい自分を研究されていたと聞きます。
特別な存在のモデルさんでしたので「同じような事をしよう」と思う人も出来る人もいませんでしたが、ファッションショーもそのくらい個性や演出が大切だった時代です。

私が某ブランドのフロアーショーに出た時の事ですが、背中に特徴のあるワンピースを客席に向かって(背中を)しっかりアピールしてなかった事がありました。終了後のミーティングでマネージャーが鬼のような顔で「自分を見て貰いたいのか!あんたを見たい人が来てると思ってるのか!!」とボロカスに怒られて泣いた事がありました^^;
自分では上手く出来たと思っていたので怒られるとは思わなかったのですが、あくまでもモデルは「主役」を引き立てる脇役であり、きちんと演出できなければランクを上げて貰えないという事です。

演出をイメージする訓練

↑2018年ボランティアで素人さんのイベント「シンデレラプロジェクト」撮影をしたときの写真。
この場合コンセプト的にはモデルが主役でドレスが脇役ですが、うまく生かせるようにポージングを工夫をしてます。

以上のように過去はモデルが自ら演出し、カメラマンと息を合わせて仕事をする時代でしたが
今はプロモデルも少なくなってきているので、カメラマンが試行錯誤してモデルさんに動いてもらったり演出したりというのが普通になってます。
「モデルさんとのコミュニケーション」で苦しんでいる方のお話も時折り聞きますし、その為の本まで出ているようです。


ちなみに、これは昨年の8月に沖縄の「伝説のカメラマン」才王さんの撮影会に参加した時の写真です。(もちろん、撮影者側です)

手前にぶら下げてあったラミネートフィルムの「コロナの注意事項」のような物を前ボケに使って、モデルさんの一瞬を捉えているのですが(確か私のカメラで才王さんが撮られました)
一瞬で「ここ」と決めるテクニックがあれば、「かわいいねー、こっちむいてぇ~♥」と、モデルさんとのコミュニケーションに苦しまなくても良いような気がします。

才王さんのFacebook: https://www.facebook.com/saiohphoto/

ファインダー越しのコミュニケーションはシャッター音

昔の撮影の仕事はフィルムでしたので、カメラマンはモデルが良い表情にならなければシャッターを押しませんでした。
キヤノンさん主催の、写真家/一色一成先生の撮影会で指名の仕事を頂いた事があります。
ひとしきり撮った後で、一色先生が「もっと開発しよう。ほら、色っぽい目で俺を誘って。レンズ越しに興奮させてよ」と言われ多くのカメラマンの前で「セクシーな色目」を演じたり苦戦しましたが、なかなかシャッター音が聞こえません。
「ああ、難しいな。ダメなんだろうな。」と少し落ち込んだ時に「そこで止めて、目線こっち!」と先生がパシャパシャとシャッターを押され、他のカメラマンも一気に撮り始めました。
あとで事務所に送られてきた写真を見ましたが、上目遣いの少し拗ねてるような表情でした。流し目じゃなくて、こんな表情が誘うような表情なのかと不思議に思いましたが、マネージャーは「さすが一色先生は見抜いてる。」と大笑いしていました。
先生がキャノンさんに「この子は良いモデルになる。」と言われたのがお世辞でも嬉しく、「自然体の作り方」を教えて下さった一色先生の仕事の事は鮮明に覚えています。
その時の写真を探しているのですが、事務所から返してもらってないらしく残念ながら手元にありません。

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Colima

デジタルカメラはフィルムがなくなる事もなく後処理も出来るので、モデルさんに表情を作って貰いつつ、その合間の「一瞬」をたくさん撮っておいた方が良いと思います。
緊張している表情から気を抜いた時の一瞬が魅力的に撮れてる事が多かったりします。
あと、私の場合、下手な誉め言葉よりシャッターを切って貰うと気持ちが乗ってきてました。シャッター音と会話しているような感覚ですかね。カメラマンが夢中になってシャッター切る姿やシャッターの音を聞くと、殻の中から違う自分が出てくるような感覚がありました。


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ゆう

なるほど。モデルの仕事について何となくわかりました。身体を張って表現する仕事って、難しそうですね。モデルさんの仕事って、どちらかというとアーティストと言っても良いかもしれないですね。


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Colima

そうだと思います。私は手段を問わず自分の感性を表現する人を「表現者」と呼んでますが自分の琴線に触れる表現者に出会うと、脳内大変革のような感覚に陥り興奮します(笑)感性は表現しなければ錆びていきますので、どんな方法でも良いので表現を続けるべきだと思います。

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仕入れと商品制作は通販専科商品部へ

COLIMA

COLIMA

プロモスジャパン㈱代表/EC・WEBクリエイティブディレクター、OEMプランナー。 1992年~MR、大手企業の企画営業を経て、2011年海外工場と連携しOEM事業で法人化。2020年に拠点を沖縄に移す。 高校時代~写真部、大学時代~9年間モデルクラブに所属。「ひろしま女子カメラ部」を設立し著名な写真家やカメラマンの写真セミナー等数多く主催。「写真活動」は事業展開や自社ブランディングの軸になっている。 通販専科企画室・アイデアTips発信中。

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